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ハンマースホイ

ハンマースホイ1
 先日、西洋美術館で「ハンマースホイ」の展覧会を見ました。たぶん時間が過ぎてみれば、日本では記憶もとどめず一時的な注目で終わりそうな画家です。デンマークで19世紀末を中心に活躍した画家です。 

 否定的に書きながら、私自身は2度も通ってしまいました。「画集・カタログ」が劣悪で本物の良さがとんでしまっています。記憶に焼き付けるしかすべがない・・拡大鏡を購入し再度行きました。表現は題材はフェルメール。色彩は基本的にモノクロームだが、色彩表現はスーラのような質を持っています。つまり、色のないスーラ=白と灰色の点描でフェルメールをやり直したといった作風です。油絵のねっとりと盛り上がった白絵の具とグレーの点描が揺らめく光を表現しています。「愚直」と言える表現に驚きました。誰でも出来そうで・・でもやる者はいないだろう。と思える表現です。このような絵画を理論化してイズムとしてバックアップする人はいないだろうし、事実いなかったでしょう。ただ仕事だけが(結果としての作品だけが)彼を勇気ずけ新しい創作に向かわせたのでしょう。
 絵画=絵を描く、ということはかなり「不自由」な事で、そう多彩に構想した事を表現できるような芸術ではないらしい。そうした事を彼の絵を見ていて感じたのです。事実飽きもせず同じような図柄の作品が並んでいました。そうであっても鑑賞者を飽きさせる事はない。・・(ただものでは無い!)

 禁欲・超然・非日常・・・ロイスダールやフェルメールやスーラやフランチェスコなどを思わせる作風です。こうした超然性は日常生活への無関心として論難される場合がありますが・・?!いや、絵画はそうした日常論理とは異なった場であり、超然とすることで、日常への関心が引き立つというパラドックスもありうる。(最後は言葉のアヤに近い文です。文にするとこんな表現しか思い浮かびません。)   2008.12.10

ハンマースホイ2
 ハンマースホイの作品に何か重要なものを見た気がします。何の変哲もない、何も奇をてらったところもない・・日常ありふれた室内図
 ワイエスのようなノスタルジックな意図的な構成もない・・同じものを様々な角度から書く・・飽きもせず。それでも十分に作者の人生の密度が伝わってきます。窓だけを書いて死んでも本望・・こうした禁欲ぶりは見事です。
 しっかりした描き込みなのに、人生のうつろいが作品にあります。モネ以上に印象派的です。色がないのにスーラのようです。描いている画家がしっかりそうした人生のうつろいを凝視している。人がいない室内図なのに、寂しくもない。描く対象=モチーフの意味は、そう、言葉の意味どおり動機=きっかけでしかないようです。
 ほとんどの画家が対象を描こうとしています。対象にこだわり、テーマや表現にこだわっています。
ハンマースホイのみが、見ているという行為にのみ集中し豊かな表現を残している。そう思えます。近いといえばシャルダンでしょう。   2009.01.27

ハンマースホイ3
 「 普通に描く 」 ハンマースホイにぞっこんになってしまった私ですが、無理のない普通の表現というものを・・ある意味・・初めて教えてもらった気がしています。
 「 何だって絵になる 」 こう言ってしまうと違うかもしれません。ハンマースホイはモチーフは選んではいました。だからと言ってモチーフに意味性を求めてはいません。 光と陰の中で変幻する対象を、秩序づけ、描こうとしている自分の中の整合性・調和感覚 そうした見ることが主要な関心事です。
 「 絵である事 」 ハンマースホイは「絵画表現」と「現実の実在する対象」 その違い、絵画表現の限界を十分知って描いています。 「実在感」を求めるあまりの節度の喪失・・そうした無理をしない画家です。具体的には近景の表現を、リアルにしないでほどほどにとどめている=点描風にです。
 「 リアリズム 」 今の傾向は、作者の感情をころした客観描写が主流だろうと思います。(古い認識かもしれませんが) 主観をもって描くことへの不信がそこにあって、敢えて写真と張り合うような表現が多いようです。確かに泰西名画風のわざとらしい表現の作品群を見ていると絵画表現とはこんな事しか出来ないのかという気分なります。ハンマースホイのリアリズムは絵画の限界を認識した上でそれでも絵画には可能性がある。そうしたことを語りかけているように思えました。  02.01
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